産婦人科の選び方について(妊婦健診)〜妊娠の可能性がある人へ〜
私は実家と離れた場所で暮らしていて、近所に出産後の家事負担等をお願いできる親戚もいないため、実母の勧めもあり里帰り出産をすることになりました。
そのため必然的に、妊婦健診を受ける産婦人科を途中で転院せざるをえなかったのですが、転院前と転院後の産院があまりに違いすぎて衝撃を受けたのでこの記事を書きました。
1 エコーの画質がまるで違う
転院前の産院は、過去には分娩もできたようですが今は扱っていない 、小さなクリニックです。私が妊娠の可能性に思い至り、検査薬を使ったところ陽性だったため慌てて近くの産婦人科をネットで調べたところヒットしたのがこの院です。少なくともネット上では悪い評判がなかったのと、何より家から近くてすぐに行けることが決め手でした。
そこで妊娠初期の健診から毎回、内診にてエコー(超音波)検査を行い、胎児の姿を6センチ四方くらいの紙に写して持ち帰らせてもらえました。おそらくほとんどどこの妊婦健診でも共通だと思います。
(最近はCDーRに画像を焼いてくれる所もあるようですが。)
初めのうちは、ただの丸だったものが徐々に人の形になっていく様子を夫と楽しく見ていたのですが、胎児の大きさが一枚の写真に収まらなくなってきて内診ではなくお腹の上からエコー検査を行うようになると、画像がかなり不鮮明になりました。
妊娠6か月、7か月になって職場でも性別がわかったかと聞かれることが多くなりましたが健診ではわからず(6か月頃に一度「男かな?」と先生に言われたことはありましたが)、「性別は難しいから、時間がかかるから、後ろが詰まっていなくて時間がある時(要するに院が空いている時)に来てくれないと」というようなことを言われました。
この頃もらったエコー写真は本当に何がどう写っているのか一見しただけでは全くわかりません。全ての輪郭がぼやけていました。
その話を職場ですると「えー!」「聞いたことない」「女の場合ははっきりしないこともあるのかも」といった反応でした。私は初めての妊娠だったので、また妊娠・出産のガイド本でも「産まれるまでわからない場合もある」と書かれていたので、まあそんなものかと思っていました。
が、8か月目の転院前の最終健診から2日後に転院先の産院でお腹の上からエコーで見てもらったところ、驚きの光景が。
「え、全然違う…!!」
と思わず笑ってしまうクリアーな画質。
ちなみに転院先の産院は、分娩を扱っている産院としては地元での評判が良い有名な所です。
「ここが頭で、右目左目鼻口、体、手、逆子ではないですね。胎盤はここにあるので、大丈夫ですね」
と丁寧に解説してくれる先生。私にもはっきりとそれらの部位が見えます。転院前の院では胎盤の位置を言われたことはありませんでした。
その後性別は聞いたか、言っても良いかという問答があり、
「足がここだから、お股がここで、女の子のようですね」
とあっさり…!!
私にも見えましたよ葉っぱが。産まれるまで断定はできないと言われましたが、どう見ても女の子と思われます。さらには
「お母さんの腸がこの辺りにかぶさっているので見えにくくなっています」
といったことも。
あまりのギャップにテンション上がりましたよ。血圧も上がったかもしれん笑
エコーの画質がよくなかったんですね、転院前の産院。全体的に小綺麗で新しそうだったけど、設備は古かったか、そんな感じなんですね。
たしかに一度職場にいる男性から「最近のエコーってすごいよな。よく見えるんだな」といった話があり「??」となった時から、もしかしたらとは思っていたのですが、まさかこんなに違うなんて…
これが一つ目の大きな違いです。そして、
2 説明の丁寧さ/サポート体制が違う
これはもう、私個人の感じ方だったり先生との相性だったり、転院先では非常勤の方もいたりして全ての先生に診てもらったわけでもないので人によって違うところも大きいと思いますが、
転院先の産院の先生方はとにかく丁寧で真摯な態度で接してくれるように感じます。1で書いたエコーもそうですが、転院前の産院で受けたにもかかわらず教えてもらえなかった血液検査の結果の内容について教えてもらえましたし、こちらからの質問にもわかりやすく、具体的に答えてくださりました。
また、分娩を扱っているため前期、中期、後期それぞれ一度は助産師外来を受けることになっており、そこでも妊娠・出産について助言を受け、疑問点など相談することができました。安産教室など各種教室も充実していて、助産師によるサポートが受けれられるか否かの違いは大きいと感じました。
転院前の産院では、こちらから質問しないとほとんど何の説明もないのは当たり前、質問しても何かはぐらかそうとされるというか、「おとなしくしていればいい」など抽象的な答えが多く、具体的なことを言ってそれと違う方向に状況が進んだ場合に苦情を言われることをとにかく避けようとしているように感じられました。間違ったことを言ってはいけないというのはわかりますが、それでももうちょっと丁寧な助言がほしかったです。先生はいい人ではあったのですが…
3 内診と採血の不快さ(痛み)が違う
これも人によると思いますが、転院前の産院では内診が痛くて体がこわばってしまうことが多くありましたが、転院先では痛みはほとんどなく、あの不快感は何だったんだという感じでした。また、時期的なものかもしれませんが、転院先では内診が毎回ではなくなりました。
採血は、転院前の産院で私に何回か注射をした看護師?は注射をしながら私の上腕部に巻いたテープ?を取る時に注射器を持つ手がぶれていてこわかったです。一回目の注射の際は刺す位置が悪かったのか、これまで職場の健康診断の採血では感じたことのないきつい痛みがありました。また、何のための採血かといった説明は一切なく、次回の健診時に母子手帳にヘモグロビン値等が書かれるのみでした。HIV等についても検査していたようですがその結果も含め何も言われず、転院先の院で初めて、紹介状と同封されていたそれらの検査結果について聞きました。
転院先の院では、注射の痛み等は職場の健康診断と同等でしたし、事前に口頭で何を調べるかの簡単な説明がありました。ヘモグロビン値は当日にわかりました。
4 健診システムが違う(オートメーション)
これはどちらが良い悪いというものでもありませんが、健診の流れが転院前の産院では従来のクリニックの形式で、転院先の産院ではかなり自動化されていたということです。産院の規模や分娩を扱っているかどうかによる違いが大きいと思われます。
転院前は、予約制ではなく、まず受付で母子手帳や診察券を提出し、それからトイレで尿をとって提出し、待合室で名前を呼ばれたら診察室に入り、診察が終わったら待合室に戻り、受付に呼ばれたら清算する、というわりと一般的なクリニックに近い流れでした。
転院先は安産教室などの各種教室も含め完全予約制で、院の端末に診察券を通して予約する他、インターネットからの予約もできます。2週間後でもそれなりに埋まっていたりします。
また、院の中では診察券を端末に通して受付番号を取得し、尿だけでなく自分で体重・血圧測定までしてから待合室で診察を待つ、という流れだったので最初は戸惑いました。体重・血圧測定の部屋には看護師?がいますが、血圧計から自動音声で「ひじの位置がずれていました」などと言われたりします。
診察が自分の番になると待合室や診察室前のディスプレイに自分の番号が表示され、診察室からも名前で呼ばれる、という感じです。待ち時間は今のところ30分前後かかっていますが、土曜なのと対応の丁寧さを思うと仕方ないかな、と思います。予約無しの転院前の院には平日夕方に通っていましたが、平均すると同じくらいです。
5 まとめ 〜分娩を扱っている産婦人科を選ぶのが無難〜
以上により私が感じたことは、転院前の産院では妊婦健診にあまり力を入れていないのではないか、ということです。分娩を扱っていないので、患者としては婦人科系の不調相談や検査のために来ている人の割合が多くなり、妊婦健診のための設備にあまりお金をかけていなかったとしても当然かもしれません。
分娩を扱っている産院では自然とそこで出産する予定の妊婦の健診を行うことが多くなるので、安全・無事に出産してもらうことが産院にとってもたいへん重要というか全体の目的になると考えられます。
また何よりも、分娩を扱っている産院では助産師が複数人いる体制が組まれており、出産に向けての知識面や体調管理、メンタル面など幅広いサポートを受けられるという点が非常に大きなメリットになると思います。
もちろん私が通っていたような小さなクリニックでも満足のいく健診を受けられる所があるかもしれませんし、分娩を扱っていてもどうかという所もあるかもしれないので、あくまで個人的な見解にはなりますが、多少場所が不便だったり待ち時間が長かったりしたとしても、分娩を扱っている産院で妊婦健診を受けた方が安心なのではと思います。
私自身の反省点としては、予想外に早く妊娠かもしれないという状況になったことや実際生理痛に近い下腹部の痛みが結構しんどかったので何かあってはと慌ててしまい、ろくに周りの経験者に相談・情報収集することなく産婦人科での診断を急いでしまったということがあります。
なので、熱心に妊活をしている夫婦ではなくても、少しでも妊娠の可能性が生じる生活をしているのであれば、その段階で周囲にアンテナをはって評判の良い産院を見つけておくことをおすすめします。