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『「すぐ不安になってしまう」が一瞬で消える方法』大嶋 信頼 感想・レビュー

『「すぐ不安になってしまう」が一瞬で消える方法』大嶋 信頼

 

こに本を簡単に紹介すると、言葉の力による自己暗示は効く、そしてそれによる、各個人の不安のタイプによって異なる具体的な方法を教えよう、といった内容です。全体的に平易な文体でわかりやすく書かれています。

著者によると、不安になってしまうにしても色々なタイプがあり、「自分は優れているはずだ」という思いにとらわれているもの、「周りの人が離れていってしまうのではないか」というもの、「とにかく自信がない」というものなど様々で、それらに合った暗示の言葉を頭の中で唱えることにより不安が消える、ということです。

また、自分の不安かと思っていたら実は他人の不安が伝染していた、というケースもあり、親の不安を取り除いたら子どもの不安も解消して問題が解決した、という例が紹介されています。これは私も実感として思い当たる所はあり、職場でも一人の発している不信感や嫌な空気のようなものが全体に伝染してぎすぎすしたり、逆に自信、信頼によって仕事をする人が入ってくると全体が良い雰囲気になり気持ちよく仕事ができるようになります。なので、やはりそうなのだな、と感じました。

この本を開く前は、方法といっても心がけとか心構えみたいなアバウトな答えが書かれているかもしれないと思っていましたが、読んでみるとちゃんと具体的な方法でした。人によってはうさんくさく感じられる方もいるかもしれないし、この本に載っていない別の処方が必要な人もいると思いますが(臨床ってそういうものだと思うので)、少なくとも私は一発で効果あり、でした。正直半信半疑だったのでびっくりしています。私は最近深夜から明け方にかけてどうしても目が冴えて眠れない時間帯があり、その間は心拍が早くなり頭ばかり働いて、それこそ今後の生活や社会の不安など余計なことを考えてしまうので苦痛でした。それが、一つの暗示の言葉を実践してみたところ、その日の晩は同じように一回目が覚めたものの、その後目が冴えて頭が働いてしまう時間を感じることなく再び眠ることができたのです。また、寝る前の段階でも、すでに少し気持ちが軽くなったという実感がありました。言葉の力というのは侮れないものです。

ちょっとどうかなと思った所としては、「母親の愛情」といった言葉の使い方で、ここでいう「母親」はおそらく一般的な母親という意味ではなく、乳児期に一緒にいてお世話をする人、みたいな概念を指しているのであって、「父親だとだめ」とかそういうことを意味しているのではないだろうと私は解釈しましたが、このあたりちょっと補足がほしいと思いました。あと、「ナルシズム」という表記が個人的に気持ち悪かったのと、校正校閲がやや甘いのでは、と感じました。

全体としては、タイトルのような人におすすめできる内容だと思います。