主婦(主夫)業は公の仕事に似ている
おおやけの仕事。
というと、公務員をイメージされる方が多いと思いますが、
ここでは電気や水道、あと現在ではインターネットなどのインフラ系の仕事も含めた広い意味で使っています。
タイトルは、7年間公の職場に勤めた私が、
産休育休に入り主婦業を経験して感じたことです。
何が似ているかといいますと、
できていることに対し感謝されたりほめられたりすることは少ないけれど、
できていないことは目につきやすく、叱られたりしてしまう、
というところです。
私の家には小さな子どもがいて、
夫は会社で働き、
子どものお世話と家事を基本的に私が担当する形になっています。
私はほぼ毎日掃除機がけをするなど、
できるかぎり家の中をきれいに保ちたいを思ってはいるのですが、
生活しているとあちこちにほこりがたまったり汚れてしまったりするもので、
全てが完璧な状態になることはありません。
毎日ちょっとずつ、今日はここ、今日はここ、という感じですっきりした場所ができてはいくのですが、
少し期間があいた場所はあっという間にまた掃除しないといけない状態になってしまいます。
そんな時、夫が紙のクリーナーを持ち出して、
「ほこりが気になったから」と炊飯器などを拭き始めたりします。
きれいになっている場所について何かを言われることはありませんが、
そうでない部分は気になるのです。
そうすると、主婦としては、ダメ出しをされたというか、
「うん、わかってはいたんだけど間に合わないんだよ」とか思ってちょっと凹んだりします。
でも、逆の立場になれば、私も同じことをすると思います。
これって、電車が時間通りに来ても何も言われないけれど、
ひとたび遅れたりすると文句を言われたりするのと似ているかもしれません。
要するに、「特別」を提供する仕事じゃなくて、
「当たり前」を支える仕事だから。
スムーズに、とどこおりなく、気持ちよく暮らせる当たり前。
それは、崩れた時にだけ姿を現すものです。
主婦の場合はそれが毎日休みなく、しかも一生続きます。
だからといって、
毎日主婦にお礼を言ったりほめたりしないといけない、とは言いません。
何も言われないということは、暗にふだんの仕事ぶりを認められている、ということだと思うので。
ただ、そういう仕事だからこそ、たまに何かに気づいて言ってもらえると、
それだけでモチベーションが上がったりします。
そんなこんなではありますが、私は、
働いている時は考えられなかったけれど、
今は主婦業も嫌いじゃないです。